AIで資料が作れると聞いて試したのですが、出てきたスライドが文字だらけで、そのままでは会議に出せません。結局ゼロから作り直しました
——Yahoo!知恵袋 / 40代男性
プレゼン資料をAIで作るツールがいくつもあって、どれを選べばいいのか分かりません。無料で使えるものはあるのでしょうか
——OKWAVE / 30代女性
見た目はきれいなんだけど、うちの会社のフォーマットと全然違う。体裁を直す時間を考えたら、自分で作ったほうが早い
——はてなブックマーク / 50代男性
AIが作ったスライドが、そのまま使えないのはなぜ?
「この内容で資料を作って」と頼むと、それらしいものは出てきます。ところが開いてみると、1枚に文章がびっしり。これ、そのまま投影したら誰も読めないよね、という状態になっていませんか。
私も同じところでつまずきました。理由は2つあって、どちらも分かってしまえば対処できます。
AIは話の順番は作れるけど、1枚に載る量を知らない
AIがいちばん得意なのは、文章を書くことです。だから放っておくと、スライドにも文章を書いてきます。
1枚に何文字までなら読めるか、いちばん後ろの席から見えるか。そういう感覚は持っていないんですよね。話の順番を組み立てるのは上手なのに、そこだけがすっぽり抜けています。
ということは、文字の量はこちらから数字で指定すればいい。実はこれだけで、出てくるものがかなり変わります。
ツールによって、出てくる「形」が違う
もう1つが、これ。同じ「AIで資料を作る」でも、出てくるものが3種類に分かれます。PowerPointでそのまま開けるファイルが出るもの、そのサービスの画面(Web)で見るもの、画像として出るもの。
ここを知らずに選ぶと、最後の最後で手戻りします。きれいに出来たのに、会社のPowerPointで開けなかった、という一番つらいパターンですね。
それと、使い慣れたアプリの中のAIには、たいてい契約が要ります。マイクロソフトの公式ヘルプには、PowerPointでCopilotに新しいプレゼンテーションを作らせる機能について「対象となる Microsoft 365 サブスクリプションまたは Microsoft Copilot ライセンスが必要です」と書かれています(2026年9月現在)。Copilotは種類が分かれているので、無料と有料で何が違うのかも先に見ておくと迷いません。
Googleスライドも同じで、Geminiにスライドを生成させる機能は「対象となる Google Workspace または Google AI のプランへのご登録が必要」と公式ヘルプに明記されています。しかも現時点では、パソコンで英語のみの提供です(2026年9月現在)。
つまり、無料のChatGPTやGeminiで資料を作りたいなら、発想を変えたほうが早いんです。
構成だけAIに作らせて、中身は自分のテンプレートに流し込む
私がたどり着いたのは、これです。最初から完成品を期待しない。AIには骨組みと文字だけ作らせて、見た目は自分の手元にあるものを使う。
なぜかというと、体裁はもう自分が持っているからです。前に作った資料、会社のフォーマット、上司に褒められたあの1枚。AIが苦手なところだけ、自分が埋めればいい。
1回目:8枚分の「骨」だけ作らせる
〇〇について、10分で話すプレゼンの構成を作ってください。
スライド8枚分、1枚につき「タイトル」と「入れる要素を3つまで」だけ。
本文の文章は書かないでください。
聞き手は〇〇です。
効いているのは「本文の文章は書かないでください」の一行です。これを入れないと、ほぼ確実に段落で返ってきます。
もうひとつ、聞き手を書くのを省かないでください。「社内の役員」と「初めて会う取引先」では、同じテーマでも順番が変わります。ここを空欄のまま送ると、当たりさわりのない構成が出てきます。
2回目:1枚ずつ、載せる文字を作らせる
さきほどの構成の3枚目について、スライドに載せる文字を作ってください。
1行20字以内、箇条書き3つまで。
スライドに文章を書かないでください。
ここでも数字です。「短く」ではなく「1行20字以内」「3つまで」。曖昧な言葉で頼むと、AIの考える「短く」が返ってきます。
8枚分をまとめて頼みたくなりますが、1枚ずつのほうが結局速いです。まとめて頼むと、後半になるほど文字が増えていくんですよね。
丸投げしたときと、構成だけ頼んだとき
「資料を作って」と丸投げしたとき
・1枚に文章がびっしりで、投影しても読めない
・デザインが会社のフォーマットと合わない
・直す時間のほうが、自分で作るより長くなる
・どこから直せばいいのかも分からない
「構成だけ」頼んだとき
・8枚分の骨組みが数分で出てくる
・見た目はいつものテンプレートなので、直しが要らない
・1行20字なので、後ろの席からも読める
・手を入れるのは文字だけ。作業が「書く」から「選ぶ」に変わる
仕上げにもうひと手間かけると、当日が楽になる
スライドができたら、そのまま続けて「このスライドの内容を、口で説明する原稿にしてください。1枚あたり45秒で話せる長さで、スライドに書いてある文字は読み上げず、補足を話す形で」と頼んでみてください。
スライドに書いた文字を読み上げるだけの発表って、聞いていてつらいですよね。補足を話す形、と指定しておくと、そこを避けられます。
さらに、送る前に「この構成を、〇〇の立場の人が見たときに分かりにくい点を5つ指摘してください。褒めなくて結構です」と一言。この「褒めなくて結構です」を付けないと、AIはたいてい褒めから始めます。自分で読み返すより、先に弱いところが見つかります。
聞かれることが多い4つ
無料のChatGPTやGeminiだけで、パワポのファイルまで作れますか?
構成と、スライドに載せる文字までは作れます。ファイルの形にするところは、自分のテンプレートに貼ったほうが早いことが多いです。
PowerPoint形式で書き出せるサービスもありますが、開いたときにレイアウトがずれたり、無料だとロゴが入ったりすることがあります。使う前に、保存できる形式の欄を見ておくと安心ですね。
会社のテンプレートを読み込ませることはできますか?
技術的にできるかどうかより先に、社内のルールを確認してください。社外のサービスに業務資料を貼ってよいかは、会社によって扱いが違います。
ファイルを渡さなくても、体裁は言葉で伝えられます。「見出しは20字以内」「1枚に項目は3つまで」「数字は表にする」。これだけでも、貼り込みやすい文字が返ってきます。
PowerPointのCopilotを使ったほうが早いのでは?
会社のPCで使える環境があるなら、そのほうが早いです。ただし前に書いたとおり、公式ヘルプには対象のサブスクリプションかライセンスが必要と書かれています(2026年9月現在)。
個人で無料から始めたい場合は、無理にそこを目指さなくて大丈夫。構成と文字をAIに作らせる方法なら、今日から同じことができます。
デザインが苦手です。見た目はどうすればいいですか?
新しいテンプレートを探しに行くより、文字を減らすほうが効きます。読みにくい資料の原因は、デザインより情報量であることが多いんです。
前に評判がよかった自分の資料を、中身を消して「型」として保存しておいてください。それが自分のテンプレートになります。PowerPointがない場合も、Googleスライドで作って「ファイル」→「ダウンロード」から別の形式で保存できます(手順はGoogleの公式ヘルプに載っています)。
どこから手をつけるか
- STEP1今日:15分だけ試す
次に作る予定の資料で、1つ目の指示文を1回だけ送ってみてください。作るのは8枚分の骨組みだけ。スライドはまだ1枚も作りません。
出てきた並びを見て、「この順番で話せそうか」だけ確かめます。ここが合っていれば、あとは埋めるだけになります。
- STEP2次に資料を作るとき:自分の型を決める
ここが本番です。まず、前に作った資料を1つ選んで、中身を消して保存します。表紙・目次・本文・まとめの4枚があれば十分。これを毎回使う「型」にします。
あとは2つ目の指示文で、1枚ずつ文字を作って貼るだけ。デザインを毎回考えないと決めてしまうと、作業時間が読めるようになります。
貼り終わったら、話す原稿を作らせて、最後に「分かりにくい点を5つ、褒めなくて結構です」で点検。慣れると、ここまでで30分ほどです。
3回も回すと、自分がよく使う指示文が固まってきます。そうなったらメモ帳に貼っておいて、毎回コピーして使ってください。
1週間後、資料づくりはこう変わります
- 白紙を前に「何から書こう」と固まる時間が、まるごと消える
- 文字を減らす判断を数字に任せられる(1行20字、項目は3つまで)
- 「で、結局何が言いたいの」と会議で言われる回数が減る
- 資料づくりが、文章を書く作業から、出てきたものを選ぶ作業に変わる
この記事で触れたCopilotやGeminiの提供条件は、2026年9月現在の各社の公式ヘルプで確認した内容です。料金や対応機能は変わることがあるので、契約の前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
また、業務で使う資料や取引先の情報をAIサービスに入力してよいかは、勤務先のルールによります。判断に迷う場合は、社内の担当部署にご確認ください。
押さえておくのはこれだけ
| 押さえどころ | やること |
|---|---|
| 頼み方 | 「資料を作って」ではなく「構成だけ作って」と頼む |
| 文字の量 | 1行20字以内・箇条書き3つまで、と数字で指定する |
| 見た目 | 自分のテンプレートを1つ決めて、毎回そこへ流し込む |
| ツール選び | 使う前に、どんな形式で保存できるかを先に確かめる |
| 仕上げ | 「褒めなくて結構です」と付けて、分かりにくい点を5つ出させる |
資料作りが遅いのは、たぶん能力の問題ではありません。白紙から順番を考える工程が、単純に重いだけなんですよね。
そこだけAIに渡してみてください。次の会議の資料で、1つ目の指示文を1回送るところから。8枚の骨組みが数分で出てくるのを見ると、たぶん今までの時間がもったいなく感じます。


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