「箇条書きにしないで」って3回言ったのに、5分後にはまた箇条書きで返してくる。何度言えば覚えるの…
——X(旧Twitter) / 30代女性・仕事で利用
間違いを指摘すると「申し訳ありません、以後気をつけます」と返ってくるのに、まったく気をつけてくれません。あの謝罪は何なんですか
——Yahoo!知恵袋 / 40代男性
毎回同じ注意をしてる自分がバカらしくなってきた。AIって使えば使うほど賢くなるんじゃなかったの
——X(旧Twitter) / 20代男性
「何度言えば覚えるの」という問いは、実は成立していません
先に身も蓋もないことを書きます。AIは、あなたの指摘では学習しません。何度言っても覚えません。
これ、性能が低いとかそういう話じゃないんです。そもそも指摘を記憶する仕組みが入っていない。使えば使うほど賢くなるというイメージがありますが、少なくとも「あなたに怒られたから直す」という形では賢くなりません。
ここを知らないまま使っていると、永遠に同じ注意を繰り返すことになります。逆にここさえ分かれば、対処法はかなりシンプルです。
じゃあ、なぜ同じ会話の中では覚えているように見えるのか
不思議ですよね。指摘した直後はちゃんと直るのに、しばらくすると戻る。あの挙動には理由があります。
AIは1回答えるたびに、それまでの会話をぜんぶ読み直してから答えを作っています。記憶しているのではなく、毎回読み返している。だから直後は「箇条書きにしないで」という文字が見えているので、ちゃんと守れるわけです。
ところが、一度に読める文字数には上限があります。会話が長くなると、古いほうから順に押し出されて視界から消えていく。あなたの指摘も、そこで一緒に消えます。
「しばらくしたらまた同じ間違いをする」の正体はこれです。忘れたんじゃなくて、見えなくなった。
「以後気をつけます」は、約束ではありません
もうひとつ、知っておくと消耗が減る話を。AIが謝るのは、反省しているからじゃないんです。
指摘されたときに自然な流れになる言葉を選んだ結果が、あの謝罪文なんですよね。会話を滑らかに進めるための応答であって、次の回答に効く約束ではありません。
だから「気をつけますって言ったよね?」と追及しても、返ってくるのはまた別の謝罪です。悪気はないけれど、効果もない。ここで何往復もするのがいちばんもったいないので、謝罪が返ってきたら追及せずに次へ進みましょう。
直し方は「言い聞かせる」から「貼り直す」へ
仕組みが分かると、やるべきことも変わります。しつけようとするのをやめて、ルールを見える位置に置き直す。これだけです。
具体的には3段階あります。会話が崩れてきたら新しいチャットを開いて先頭でルールを宣言する。毎回同じルールならメモに定型文として持っておく。そして最終的には、設定に登録して貼る作業自体をなくす。
コピペで使えるプロンプト例3つ
まずは会話の先頭に置くルール宣言です。お願いではなく仕様として書くのがコツ。
これから相談をします。先に、この会話全体のルールを設定します。
【必ず守ること】
・箇条書きを使わず、文章で書いてください
・専門用語を使うときは、かならず一言で言い換えを添えてください
・断定できないことは「たしかではありませんが」と前置きしてください
・1回の回答は600字以内にしてください
【お願い】
上のルールを理解したら、復唱ではなく
「どのルールが守りにくそうか」だけ先に教えてください。
そのあとで、本題に入ります。
最後の一行、地味に効きます。復唱させても意味はないんですが、守りにくい点を先に言わせておくと、そのルールが会話の中で目立つ位置に残るんですよね。
2つ目が、長くなった会話を引っ越すためのプロンプトです。新しいチャットに移るとき、これがないとゼロからやり直しになります。
この会話が長くなってきたので、新しいチャットに移ります。
引き継ぎ用のメモを作ってください。
【入れてほしいもの】
・私がここまでに出した指示・ルール(一言一句ではなく要点で)
・現在の作業がどこまで進んでいるか
・決まったこと、まだ決まっていないこと
・私が繰り返し指摘した点
【条件】
・新しいチャットの冒頭にそのまま貼れる形にしてください
・あなた自身への指示文として書いてください
・800字以内でお願いします
3つ目は、設定に登録する文面をAI自身に作らせるプロンプトです。何をどう書けばいいか分からない、という段階で使えます。
私がAIによく指摘している内容を書き出します。
これを、設定画面に登録できる短い指示文にまとめてください。
【よく指摘していること】
・箇条書きが多すぎる
・前置きが長い
・聞いていないことまで説明してくる
・カタカナの専門用語をそのまま使う
・語尾が硬い
【条件】
・箇条書きの指示文として、簡潔にまとめてください
・「〜しないでください」より「〜してください」の形を優先
・全体で400字以内に収めてください
・登録後も編集しやすいよう、1項目1行にしてください
できあがった文面は、ChatGPTならカスタム指示の欄に貼っておけます。プロジェクト機能を使えば、案件ごとに違うルールを持たせることもできます。どちらもOpenAIの案内では無料プランでも使えるとされていて、有料プランのほうが登録できる文字数が多いようです(2026年8月時点)。
この考え方に変えると、こう変わります
| 場面 | これまで | 仕組みを知ってからは |
|---|---|---|
| 間違いを見つけたとき | 「何度言えば分かるの」と指摘を重ねる | ルールを先頭に貼り直して、次に進む |
| 謝られたとき | 「気をつけるって言ったよね」と追及する | 謝罪は流して、指示の書き方を変える |
| 会話が長くなったとき | 崩れてきたと感じつつ、そのまま続ける | 引き継ぎメモを作って新しいチャットへ移る |
| 毎回同じ注意 | その都度、手で打ち直している | メモの定型文を貼るか、設定に登録済み |
| 気持ち | 相手が学ばないことにイライラする | そういう仕組みだと分かって腹が立たない |
記憶機能やカスタム指示に登録した内容は、以後の会話でAIが参照します。名前や勤務先、家族構成といった個人情報を安易に登録しないほうが安全です。登録した内容はあとから設定画面で確認・削除できるので、一度見直してみてください。
また、機能の名称や使えるプラン、登録できる文字数はサービス側の更新で変わります。ここに書いたのは私が調べた範囲の内容で、動作を保証するものではありません。
よくある不安・疑問
- Q「以後気をつけます」と言ったのに、なぜ守られないの?
- A
あの一文は、指摘を受けた場面で自然な言葉を選んだ結果であって、次の回答を縛る約束ではないからです。人間なら約束になりますが、AIの場合は会話をなめらかにするための応答だと思ってください。責めても状況は変わらないので、指示の置き場所を変えるほうが早いです。
- Q何度も指摘すると、AIの調子が悪くなる気がします
- A
気のせいではないかもしれません。指摘と謝罪のやり取りが増えるほど会話が長くなって、肝心のルールが押し出されやすくなるからです。直らないなと感じたら、指摘を重ねるより新しいチャットに移ったほうが結果的に速いです。
- Q記憶機能をオンにすれば全部解決しますか?
- A
だいぶ楽にはなりますが、万能ではありません。何を覚えておくかはAI側が判断するので、こちらが重要だと思ったことが必ず残るとは限らないんですよね。確実に守らせたいルールは、記憶に頼らずカスタム指示に自分で書いておくほうが安心です。
- Q無料版だと、どこまでできますか?
- A
ChatGPTの場合、カスタム指示もプロジェクト機能も無料プランで使えるとOpenAIが案内しています。有料プランのほうが登録できる文字数が多く、記憶の参照範囲も広いようです(2026年8月時点)。まずは無料のまま設定してみて、足りなければ検討する順番でいいと思います。
- Q同じ間違いが多いのは、私の指示が下手だからですか?
- A
そこは自分を責めなくて大丈夫です。会話の途中で伝えたルールが消えていくのは仕様の側の話なので、書き方が上手でも起きます。ひとつだけ変えるとしたら、ルールを会話の途中ではなく先頭に置くこと。それだけで守られる確率がかなり上がります。
直していくロードマップ
- STEP1今日
次に相談するとき、1つ目のプロンプトを先頭に貼ってから本題に入ってみてください。会話の途中で伝えていたことを、最初に置き直すだけです。違いはすぐ体感できると思います。
- STEP2今週
自分がよく指摘している内容を書き出して、スマホのメモに定型文として保存します。毎回打ち直していた文章が、貼るだけの作業に変わります。会話が崩れてきたら引っ越す、という判断にも慣れておきましょう。
- STEP3習慣化
3つ目のプロンプトで指示文を作って、カスタム指示に登録します。ここまで来ると貼る作業すら不要になって、最初から自分好みの答えが返ってくる状態になります。
仕組みが分かると、こんな未来が待っています
- 同じ注意を何度も打ち込む、あの徒労感がなくなる
- 謝罪が返ってきても追及せず、すぐ次に進めるようになる
- 会話が崩れてきたサインに気づいて、早めに立て直せる
- 自分の指示が下手なせいだ、という誤解から解放される
この記事に書いた機能名やプランごとの違いは、2026年8月時点で公開されていた情報にもとづいています。AIサービスの仕様は更新が早く、使える機能や上限が変わることがあるので、設定する前に各サービスの公式ヘルプで最新の案内をご確認ください。
まとめ:同じ間違いを減らすチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 前提 | 指摘では学習しない、と理解できているか |
| 置き場所 | ルールを会話の途中ではなく、先頭に置いているか |
| 謝罪への対応 | 追及せず、指示の書き方を変えるほうに動けているか |
| 引っ越し | 会話が崩れてきたら、引き継ぎメモを作って移っているか |
| 登録 | 毎回同じルールを、カスタム指示に登録してあるか |
AIに腹が立つときって、たいてい相手を人間だと思って接しているときなんですよね。学ばない相手なんじゃなくて、学ぶ仕組みがない相手。そう分かると、不思議とイライラしなくなります。しつけるのをやめて、貼り直す。それだけでかなり楽になりますよ。


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