絵本を作りたくて主人公を描いてもらったのに、2枚目で完全に別人になった。同じ説明文を入れてるのになんで
——X(旧Twitter) / 30代女性・個人制作
AIで漫画を描こうとしています。1コマ目と3コマ目で顔が違うのですが、同じキャラクターを描き続ける方法はありますか
——Yahoo!知恵袋 / 20代男性
髪型と服は合ってるのに顔だけ毎回違う。もはや双子の姉妹の話にするしかないのかな…
——X(旧Twitter) / 40代女性
同じ言葉を入れても別人になるのは、正常な動作です
これ、腕のせいでも指示の書き方が悪いせいでもないんですよね。まず仕組みから知ってもらうと、対策が一気に見えてきます。
画像生成AIは、1枚ごとに完全に独立して絵を描いています。さっき描いた絵のことは、まったく覚えていません。
だから同じ説明文を入れても、毎回ゼロから描き起こすことになる。文章から絵に変換する過程には無数の選択肢があって、そのたびに違う顔が選ばれるわけです。
「黒髪ロングの20代女性」という言葉を100人の絵描きさんに渡したら、100通りの顔が返ってきますよね。あれと同じことが、毎回起きているだけなんです。
この現象、どのツールでも起きます
Midjourney、DALL·E系、Stable Diffusion、Gemini系。どれを使っても、基本的な仕組みは同じです。だから「別のツールに変えたら直るかな」という発想では、あまり解決しません。
この一貫性の問題は、英語で consistency と呼ばれていて、画像生成AIの中心的な課題として長く扱われてきました。あなただけがつまずいているわけではないんです。
ただ、ここ最近は状況が少し変わってきています。「覚えさせる」ことはできないままなんですが、毎回こちらから思い出させるための機能が、各ツールに用意されてきました。
Midjourneyには参照した画像の特徴を引き継ぐ機能がありますし、Gemini系のモデルは画像をアップロードして「この人の表情だけ変えて」という指示ができます。呼び名はツールごとに違いますが、やっていることは同じです。
最大のコツは「ゼロから描かせない」こと
ここが今日いちばん持ち帰ってほしいところです。
やることは単純で、基準になる1枚を作り、それを見せてから修正を頼む。新しい絵を注文するのではなく、既にある絵を編集してもらう感覚に切り替えます。
「この子が笑っている絵を描いて」ではなく、「この画像の人物の表情を笑顔に変えて、他はそのまま」とお願いする。この違いだけで、別人になる確率がぐっと下がります。
コピペで使えるプロンプト例3つ
まずは基準になる1枚を作ります。ここに時間をかけるほど、あとが楽になります。
絵本の主人公になるキャラクターを描いてください。
【外見の設定】
・年齢:8歳くらいの女の子
・髪:肩までのまっすぐな黒髪、前髪は眉が隠れる長さ
・目:大きめの丸い目、色は濃い茶色
・肌:やや色白
・服装:黄色い半袖のワンピース、白い靴下、赤い運動靴
・体型:小柄でやせ型
【絵の条件】
・正面を向いて立っている全身
・背景は白一色
・やわらかい水彩風のタッチ
・表情は自然な微笑み
この1枚を今後の基準にするので、特徴がはっきり分かるように描いてください。
次が本番です。できた画像をアップロードしてから、この指示を出します。
添付した画像のキャラクターを、そのまま使ってください。
【変えてほしいところ】
・ポーズ:走っている姿に
・表情:驚いた顔に
・背景:夕方の公園に
【絶対に変えないでほしいところ】
・顔立ち(目の形、鼻、輪郭)
・髪型と髪の色
・服装の色とデザイン
・絵のタッチと色づかい
新しく描き起こすのではなく、
添付画像の人物を動かす形でお願いします。
「新しく描き起こすのではなく」の一行が効きます。これがないと、参照画像を渡していても雰囲気だけ真似た別人が出てくることがあるので。
3つ目は、設定を使い回せる形にするためのプロンプトです。
添付した画像のキャラクターの外見を、
文章で細かく書き出してください。
【書き出してほしい項目】
・髪型、髪の色、長さ、前髪の形
・目の形、大きさ、色
・眉の形、鼻や口の特徴
・肌の色
・服装(色・素材・形をそれぞれ)
・体型と身長のバランス
・絵のタッチ(線の太さ、塗り方、色の傾向)
【条件】
・次回以降そのまま貼り付けて使える、
1つのまとまった説明文にしてください
・あいまいな表現は避け、具体的に書いてください
・「かわいい」のような感想は入れないでください
出てきた説明文をメモに保存しておけば、それが自分だけのキャラ設定書になります。参照画像が使えない場面でも、これを貼るだけでかなり近い絵が出ます。
やり方を変えると、こう変わります
| 場面 | これまで | 基準の1枚を渡すと |
|---|---|---|
| 2枚目以降 | 同じ文章を入れ直して、毎回別人が出る | 同じ顔のまま、ポーズや表情だけ変わる |
| 指示の内容 | 「〜を描いて」と新規に注文している | 「この絵の〜を変えて」と編集を頼んでいる |
| 設定の管理 | その場で思いついた言葉を入れている | 保存した設定文を貼るだけで済む |
| 失敗したとき | 何が原因か分からず、また最初から | 変えない項目の指定を足せば戻せる |
| 作品づくり | 絵が揃わず、途中で止まってしまう | 連続した場面として並べられる |
参照画像を使っても、完全に同じ顔になるとは限りません。細部が少しずつ変わっていくので、何枚も続けて作るときは、途中の絵ではなく最初の基準画像を毎回渡し直してください。ずれが積み重なるのを防げます。
また、実在する人物の写真を参照画像に使うのは避けてください。肖像権やパブリシティ権の問題が出てきます。作った絵を公開したり販売したりする場合は、使っているサービスの利用規約で商用利用の条件を確認しておくと安心です。
ここに書いたのは私が試した範囲と個人的な感想で、権利関係についての専門的な助言ではありません。
よくある疑問
- Q有料のツールに変えれば解決しますか?
- A
完全には解決しません。ただ、参照画像を扱う機能の使いやすさには差があるので、たくさん作るなら試す価値はあります。順番としては、まず今使っているツールで参照画像を渡すやり方を試してみてください。それで足りることも多いです。
- Qシード値って何ですか?使えば同じ顔になる?
- A
絵を描き始めるときの出発点を決める番号のことです。同じ番号と同じ指示文を使うと、ほぼ同じ絵が出ます。ただし指示文を少しでも変えると結果が変わるので、ポーズや表情を変えたい場合には向きません。初心者のうちは、シード値より参照画像を使うほうが確実です。
- Q横顔や後ろ姿にすると、途端に崩れます
- A
これはよく起きます。参照画像が正面だけだと、横から見た顔の情報がないので推測になるからです。対策としては、基準画像を作る段階で正面・横・斜めの3方向を用意しておくこと。設定資料集のような形にしておくと、あとがぐっと楽になります。
- Q何枚も作っていると、だんだん顔が変わっていきます
- A
直前に作った絵を参照画像にしていると起きる現象です。コピーのコピーを繰り返すように、少しずつずれが積み重なっていくんですよね。防ぐには、毎回いちばん最初の基準画像に戻って渡し直すこと。これだけでかなり安定します。
- Q複数のキャラクターを同じ絵に出したいのですが
- A
難易度が一段上がります。特徴が混ざって、髪の色が入れ替わったりするんですよね。複数の参照画像を扱えるツールもありますが、うまくいかないときは1人ずつ別々に作って、あとから画像編集ソフトで組み合わせるほうが早いことも多いです。
作品にたどり着くまでのロードマップ
- STEP1今日
1つ目のプロンプトで、基準になる1枚を作ります。ここは納得いくまで描き直して構いません。この1枚の出来が、あとの全部を左右します。
- STEP2今週
その画像を渡して、2つ目のプロンプトでポーズや表情を変えてみます。正面・横・斜めの3方向も作っておくと、後半で効いてきます。3つ目のプロンプトで設定文も書き出して保存しましょう。
- STEP3習慣化
基準画像と設定文を1つのフォルダにまとめて、キャラクターごとに管理します。ここまで整えば、思いついた場面をどんどん足していけます。作品づくりが前に進む段階です。
固定できるようになると、こんな未来が待っています
- 2枚目で別人が出てきて、その日の作業が終わることがなくなる
- 思いついた場面をどんどん足していけるようになる
- 絵本や漫画など、続きものの作品として形にできる
- キャラクターが増えても、同じやり方で管理できる
この記事に書いた各ツールの機能や名称は、2026年9月時点で確認できた内容にもとづいています。画像生成AIは更新がとても早く、機能の名前や使える範囲が短期間で変わります。実際に使う際は、各サービスの公式サイトで最新の情報をご確認ください。
まとめ:キャラクターを固定するチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 仕組みの理解 | AIは前の絵を覚えていない、と分かっているか |
| 基準の1枚 | 今後ずっと使う基準画像を用意したか |
| 頼み方 | 「新規に描いて」ではなく「この絵を変えて」と伝えたか |
| 変えない指定 | 顔立ち・髪・服など、固定したい項目を明示したか |
| 渡し直し | 直前の絵ではなく、最初の基準画像を毎回渡しているか |
この問題でつまずいて、作品づくりを諦めてしまう人が本当に多いんですよね。でも原因は腕でも才能でもなくて、頼み方ひとつです。ゼロから描かせない。まずはここだけ変えてみてください。


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