ChatGPTに手伝ってもらったお礼のLINE、送る直前に「これ、AIっぽくない?」って急に不安になって、結局ぜんぶ消して打ち直した…
——X(旧Twitter) / 20代女性
仕事のメールをAIで整えてから送っています。取引先に「AIで書いたな」と思われていないか心配です。読む人は、実際に気づくものなのでしょうか
——Yahoo!知恵袋 / 30代男性
「AIの文章はすぐバレる」って記事もあれば、「もう人間には見分けられない」って記事もある。結局どっちなの?
——X(旧Twitter) / 40代女性
SNSの投稿文をAIに考えてもらったら、友達に「なんか今日の文章、丁寧すぎない?」と言われてドキッとしました
——X(旧Twitter) / 30代女性
AIで書いた文章がバレるのが怖い…その不安はどこから来る?
AIに下書きを手伝ってもらうと、文章はきれいに整うんですよね。でも送信ボタンを押す直前に、「これ、AIっぽいって思われないかな」と手が止まってしまう。その気持ち、すごくわかります。
お礼やお祝いなら「手を抜いた」と思われたくないですし、仕事のメールなら相手からの信用にも関わってきます。
「見分け方」の記事を読むほど、不安になる
調べてみると、「AIの文章にはこんな特徴がある」という見分け方の記事がたくさん出てきます。読んでいるうちに自分の文章にも当てはまる気がしてきて、ますます不安になるんです。
しかも「すぐバレる」という記事と「もう見分けられない」という記事が両方あって、どちらを信じればいいのか分からなくなってしまいます。
知りたいのは「特徴」より「読む人が本当に気づくか」
実はこれ、2つの話が混ざっているんです。「AIの文章にどんな特徴があるか」と、「読む人が実際にどれくらい当てられるか」は、別の話なんですよね。
特徴があっても、読む人が気づかなければバレません。そこで今回は、人に実際に当ててもらった研究を探して、数字を確かめてみました。
AIの文章、ふつうの人はどれくらい見分けられる?研究の数字
探してみると、英語の研究がいくつかと、日本語の研究が1つ見つかりました。先に、結果を表にまとめておきますね。
| 読んだ文章 | 判定した人 | 結果 |
|---|---|---|
| 意見文(日本語) | 20〜60代の403人 | AIの文章を「AI」と当てた人は、いちばん多い文章でも56.8% |
| SNSの投稿(英語) | 697人 | ほぼ当てずっぽうと同じ |
| 自己紹介文(英語) | 6つの実験で4,600人 | AIが書いたものを見分けられなかった |
| ニュースや雑誌の記事(英語) | 文章にAIをほとんど使わない4人 | 当てずっぽうに近かった |
| ニュースや雑誌の記事(英語) | 文章を書くのにAIをよく使う5人 | AIの記事を平均92.7%見抜いた |
文章の種類も読んだ人も違うので、数字をそのまま比べることはできません。それでも、傾向ははっきりしていました。
日本語の文章でも、当てずっぽうに近かった
日本語の研究は、目白大学や立命館大学などの研究チームが、2025年10月に科学誌『PLOS ONE』で発表したものです。20代から60代の403人が、ネット調査に参加しています。
読んでもらったのは、国の意見募集(パブリックコメント)に人が寄せた意見文と、ChatGPTやGemini、Claudeなど7種類のAIに書かせた意見文です。1本ずつ、AIと人のどちらが書いたと思うかを答えてもらいました。
AIの文章を「AIが書いた」と当てた人は、いちばん多い文章でも56.8%。ChatGPTの「o1」というモデルが書いた文章にいたっては、59.3%の人が「人が書いた」と答えています。
反対に、人が書いた意見文を「AIが書いた」と答えた人も47.9%いました(ほかに「どちらとも言えない」と答えた人もいます)。人の文章でも、半分近くの人に「AIっぽい」と思われていたんです。
答えた人のコメントを見ると、言い回しや語尾、句読点といった、読んだときの印象で判断していたようです。
SNSの投稿や自己紹介文も、見分けられなかった
スイスのチューリッヒ大学の研究チームは、697人にX(当時のTwitter)の投稿を読んでもらい、利用者本人が書いたものか、AIが書いたものかを答えてもらいました(2023年、科学誌『Science Advances』)。
結果は、ほぼ当てずっぽうと同じ。見分ける自信を5点満点で聞くと、始める前の2.69点から、終わったあとは1.7点まで下がっていました。
仕事への応募や出会い系サービスなどで使う、自己紹介文を調べた研究もあります(2023年、米国科学アカデミー紀要)。6つの実験で合わせて4,600人が参加しましたが、AIが書いた自己紹介文は見分けられませんでした。
この研究では、「私」をよく使う文章や家族の話が出てくる文章を、「人が書いた」と思いやすいことも分かっています。私たちが頼りにしがちな「人間らしさ」の手がかりは、当てにならなかったんですよね。
ただし、AIをよく使う人は見抜きやすい
見抜ける人もいました。2025年に自然言語処理の国際学会(ACL)で発表された研究では、英語のニュースや雑誌の記事300本を、AIと人のどちらが書いたか判定してもらっています。
ふだんから文章を書くのにAIをよく使う5人(編集者や校正者など)は、AIの記事を平均92.7%見抜きました。5人で多数決をとると、間違えたのは300本中1本だけです。
一方、文章にAIをほとんど使わない4人は、人が書いた記事も半分ほど「AI」と判定していて、当てずっぽうに近い結果でした。
見抜いた人たちの手がかりは、AIがよく使う言葉や、決まった文の組み立て方です。人数の少ない研究ですが、「AIに慣れた人ほど気づきやすい」ことは覚えておきたいですね。
数字から見えてきたこと
ふつうの人が文章だけでAIかどうかを当てるのは、思っているより難しいようです。人が書いた文章でも「AIっぽい」と思われることがあるので、そう言われたからといって、バレたとは限りません。
ただ、研究の多くは英語で、使われたAIも少し前のものです。LINEや年賀状のような短いメッセージを、ふだんのあなたを知っている家族や友達が読んだ場合は、調べられていません。「いつもと違う」には気づかれることもある、と私は感じています。
AIで書いた文章は「自分の話」を1文足してから送る
数字を見て、私の答えはシンプルになりました。AIっぽさを隠そうとするより、自分しか知らない話を1文足して、ふだんの言い回しに直す。これで十分だと思っています。
見抜ける人の手がかりは、AIがよく使う言葉や決まった型でした。日本語の調査でも、言い回しや語尾の印象で判断されていましたよね。その一方で、あなたが実際に体験したことは、AIには書けません。
プロンプト1:自分の話を渡して、下書きを作ってもらう
最初から「自分の話」を入れて書いてもらう頼み方です。【】の中を変えれば、メールやSNSの投稿にも使えます。
次の内容で、お礼のLINEの下書きを作ってください。
【送る相手】学生時代からの友達
【伝えたいこと】誕生日にハンドクリームをもらったお礼
【私だけが知っている話】さっそく職場で使ったら、いいにおいだねと同僚に言われた
【条件】
・3〜4文の短い文章にする
・「素敵な」「心より」のような、かしこまった言葉は使わない
・** などの記号、見出し、箇条書きは使わない
・【私だけが知っている話】は、内容を変えずに入れる
大事なのは【私だけが知っている話】の欄です。AIが想像では書けない1文が入るだけで、「自分のために書いてくれた」と伝わりやすくなります。
プロンプト2:AIの文章を、いつもの言い回しに直してもらう
AIが書いた文章がすでにあるなら、自分が前に送った文章をお手本にして直してもらいましょう。
次の下書きを、私がふだん書いている文章に近づけてください。
【下書き】
(AIが書いた文章を貼る)
【私がふだん送っている文章の例】
(自分が前に送ったメッセージを2〜3個貼る)
【条件】
・例の文章の語尾、文の長さ、くだけ具合に合わせる
・書いてある内容は増やさない
・** などの記号や見出しが残っていたら消す
・直した文章のあとに、どこを直したかを3つだけ教える
お手本に貼るのは、自分が書いた文章だけにしてください。相手から届いたメッセージや、名前・住所などの個人情報は貼らないほうが安心です。
直してもらったら、送る前に一度、声に出して読んでみてください。自分なら言わない言葉や、** のような記号が残っていたら、そこだけ直せばOKです。
1文足すだけで、こう変わります
たとえば、こんな違いです(例文は、説明のために私が作ったものです)。
| 場面 | AIに任せたまま | 自分の話を足して直したあと |
|---|---|---|
| お礼のLINE | 素敵なプレゼントをありがとうございました!とてもうれしかったです。大切に使わせていただきます。 | ハンドクリームありがとう!さっそく職場で使ったら、いいにおいだねって同僚に言われたよ。 |
| 仕事のメール | 本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。大変有意義なお打ち合わせとなりました。 | 本日はお時間をいただき、ありがとうございました。ご提案いただいた、納品を2回に分ける案は、さっそく社内で相談いたします。 |
| SNSの投稿 | 週末のカフェ巡り 心温まるひとときを過ごしました。皆さんもぜひ訪れてみてください! | 週末は駅裏のカフェへ。窓際の席が満席だったので、次は開店と同時に行こうと決めました。 |
足したのは、どれも具体的な話を1文だけ。それでも「誰が書いても同じ文章」が、「あなたにしか書けない文章」に変わります。バレるかどうかを気にするより、この1文に時間を使ってみてください。
よくある疑問
- Q「AIっぽい」と言われたら、AIを使ったのがバレたということ?
- A
そうとは限りません。日本語の研究でも、人が書いた意見文を「AIが書いた」と答えた人が47.9%いました。読む人は、言い回しや語尾の印象で判断していることが多いようです。
言われたときは、「かしこまりすぎ」「整いすぎ」を直すヒントとして受け取るのがおすすめです。自分の話を1文足すだけでも、印象は変わってきます。
- QAI判定ツールやChatGPTに調べられたら、見抜かれますか?
- A
OpenAIの公式ヘルプでは、AIが書いた文章を見分ける検出ツールについて、同社の経験では有効ではないという見方が示されています(2026年9月時点)。人が書いた文章を、AIが書いたと判定してしまうこともあるそうです。
ChatGPTに「これはAIが書いた?」と聞いても、根拠のない答えが返ってくることがある、とも書かれています。
一方で、日本語の研究では、研究者が文体を細かく分析すると、正解率99.8%でAIと人の文章を見分けられています。見抜かれないと安心はできないので、仕事や学校でAIの使い方に決まりがあるなら、そちらを優先してください。
- QAIで書いたことは、相手に伝えたほうがいい?
- A
場面によると思います。仕事や学校で決まりがあるなら、それに従ってください。ふだんのLINEやSNSなら、伝えるかどうかは自分で決めていいと思っています。
ただ、アメリカのオハイオ州立大学の研究では、友達がAIの手を借りてメッセージを書いたと知った人は、手間をかけてもらえなかったと感じ、友達との関係への満足度が下がりやすかったそうです。架空の友達を想定した実験で、ほかの人に手伝ってもらったと知った場合も、同じような結果でした。
お祝いやお見舞いのように気持ちを伝えたい文章ほど、AIは下書きまでにして、自分の言葉を多めに入れるのがおすすめです。
今日やることは、1文足すだけ
次にAIで書いた文章を送る前に、あなたしか知らない具体的な話を1文足して、声に出して読んでみてください。自分なら言わない言葉があれば、そこだけ直してから送れば大丈夫です。
バレる不安が減ると、こんな未来が待っています
- 送信ボタンの前で「AIっぽくない?」と固まる時間が減る
- 「AIの文章はすぐバレる」という話に振り回されなくなる
- AIの下書きに1文足すだけで、自分らしいメッセージが送れる
- 「あなたらしいね」と言ってもらえる文章を、AIと一緒に作れる
この記事で紹介した研究の数字とOpenAIの公式ヘルプの内容は、2026年9月時点で確認したものです。研究の多くは英語の文章や少し前のAIで調べたもので、LINEや年賀状のような短いメッセージは対象になっていません。数字は目安として読んでください。
仕事や学校でAIを使うときは、職場や学校の決まりを優先してください。ここに書いた考えは私個人の感想で、専門的な助言ではありません。
まとめ:AIで書いた文章を送る前のチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 自分の話 | 自分しか知らない体験や具体的な話を、1文入れたか |
| 言い回し | 「素敵な」「心より」など、ふだん使わない言葉を直したか |
| 記号 | ** や見出し、箇条書きが残っていないか |
| 読み返し | 送る前に、声に出して読み返したか |
| 決まり | 仕事や学校で使うときは、AIの使い方の決まりを確かめたか |
研究の数字を見るかぎり、文章だけでAIかどうかを当てるのは、読む人にとっても簡単ではないようです。だからこそ、バレるかどうかにおびえるより、「自分の話を1文足す」ことに力を使ってみてください。それだけで、AIに手伝ってもらった文章も、ちゃんとあなたのメッセージになります。


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