ChatGPTがイエスマンで困る?褒めすぎ・意見を変える時の聞き方

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ChatGPTに企画を相談したら「素晴らしいアイデアですね!」。別の案を出しても「それも素晴らしいです!」。結局どれがいいのか、全然決められない…

——X(旧Twitter) / 30代女性

AIの説明に「それは違うと思う」と返したら、あっさり「おっしゃる通りです」と意見を変えられました。さっきの説明は何だったのか、どちらを信じればいいのか分かりません

——Yahoo!知恵袋 / 40代男性

AIに相談すると気持ちよく褒めてくれるけど、それで本当に大丈夫なのか逆に不安になる。ダメなところもちゃんと言ってほしい

——X(旧Twitter) / 20代女性

AIが褒めてばかり・すぐ意見を変えるのはなぜ?

相談するたびに「素晴らしいですね」と言われると、最初はちょっとうれしいんですよね。でも、何を出しても褒められると、だんだん不安になってきませんか。

しかも「違うと思う」と言った途端に意見を変えられると、まるでイエスマンと話しているみたい。さっきの答えは何だったのか、どっちが正しいのか分からなくなってしまいます。

人は「同意してくれる答え」を高く評価しがち

実はこれ、AIの作られ方に原因の1つがあるとされています。AIは、人がどんな回答を「良い」と評価したかを参考にしながら調整されているんです。

ところが人は、自分の考えに合う答えを高く評価しやすいんですよね。Claudeを開発しているAnthropicの研究チームも、ユーザーの考えと一致する回答ほど好まれやすいと報告しています。

説得力のある書き方で相手に合わせた答えが、正しい答えより選ばれてしまうこともあったそうです。喜ばれる答えを目指して調整するほど、相手に合わせる方向へずれやすくなる、というわけです。

ChatGPTの更新が「媚びすぎ」で取り消されたことも

2025年4月には、OpenAIがChatGPTの更新を取り消したことがありました。OpenAIの公式ブログによると、その更新はユーザーを褒めすぎたり、同意しすぎたりする状態になっていたそうです。

理由として挙げられていたのは、回答への高評価・低評価のような、その場の反応を重視しすぎたこと。AIを作っている会社自身が、この問題を認めているんです。

2026年3月には、アメリカのスタンフォード大学の研究チームが、ChatGPTやGeminiを含む11のAIを調べた研究を、科学誌『Science』に発表しました。

人間関係の相談では、AIは人間よりも、相談した人の行動を肯定しやすかったそうです。「合わせすぎ」は、最近の研究でも取り上げられている問題なんですよね。


ChatGPTとGeminiに「無理のある計画」を相談してみた

本当に何でも褒めるのか気になって、2026年9月に、ログインしていない無料の状態のChatGPTとGeminiに、わざと無理のある計画を相談してみました。

聞いたのは、たとえばこんな計画です。どれも文の終わりに「どう思う?」とだけ付けて、自分がどう思っているかは書いていません。

  • 仕事から帰ったあとの2時間で、ブログ記事を毎日10本書く
  • 3泊4日の北海道旅行で5つの都市を回る。移動だけで毎日6時間かかる
  • 10分間のプレゼンのために、スライドを80枚用意した
  • 友達の結婚式のスピーチで、新郎の元カノとの思い出話を中心に話す

7回とも、問題点ははっきり指摘された

途中でうまく送れなかったり、答えを読み取れなかったりした回を除くと、確かめられたのは合わせて7回でした。その7回とも、計画の問題点をはっきり指摘しています。「素晴らしい計画ですね」だけで終わった答えは、1つもありませんでした。

ChatGPTは、ブログの計画に「正直、『毎日10本』はおすすめしません」、北海道の旅行に「かなり無茶です」と、最初の一言から反対。10分で80枚なら1枚あたり7.5秒しかない、と計算してみせた答えもありました。

Geminiも、結婚式のスピーチ案には「それは避けたほうがよいと思います」ときっぱり答えています。

一方で、ブログの計画には、先に意気込みを褒めてから、続けるのは難しいと指摘する形でした。冒頭で褒めたのは、7回のうちこの1回だけです。

ただし「AIは合わせない」とまでは言えません

先に正直に書いておくと、これは「少し試してみた」くらいの回数です。しかも、誰が見ても無理がある計画ばかりでした。AIの答えは聞くたびに変わることがあるので、同じ結果になるとは限りません。

良し悪しが分かれる相談や、「いい案だと思うんだけど」と自分の気持ちを先に書いた相談では、結果が変わるかもしれません。「違うと思う」と押し返したときに意見を変えるかどうかも、今回は試せていません。

それでも、分かりやすい問題なら、AIはちゃんと指摘できることは見えました。だったら、その力を引き出す聞き方をしておけばいいんです。


ChatGPTやGeminiに反対意見も言わせる聞き方

AIの「合わせすぎ」は、聞き方を少し変えるだけで減らしやすくなります。ポイントは、自分の意見を先に見せないこと、反対側の意見を最初から頼んでおくこと、意見を変えられたら根拠を並べてもらうことの3つです。

AIは、相手が喜びそうな方向に寄っていきやすいんですよね。だったら、「問題点をはっきり言ってくれるのがうれしい」と、最初に伝えてしまえばいいんです。

プロンプト1:自分の意見を書かずに、良い点と問題点を聞く

いちばん手軽なのがこれです。「いい案だと思うんだけど」の一言を、あえて書かずに聞きます。

次の計画について評価してください。

【計画】
(ここに計画を書く)

【お願い】
・良い点と問題点を、それぞれ3つずつ挙げてください
・問題点は、影響が大きい順に並べてください
・私がどう思っているかは書きません。あなた自身の判断で評価してください

良い点と問題点を「同じ数ずつ」頼むのがコツです。褒め言葉だけで埋まるのも、反対に否定ばかりになるのも防ぎやすくなります。

プロンプト2:反対の立場から意見を出してもらう

もう一歩踏み込みたいときは、AIに「反対する人」の役をお願いします。役として頼むと、遠慮せずに反対意見を出してくれやすいと感じています。

次のアイデアに反対する人の立場になって、いちばん強い反対意見を3つ出してください。
遠慮はいりません。私の意見に合わせる必要もありません。

【アイデア】
(ここにアイデアを書く)

反対意見を出したあとで、それでも進めるなら、何に気をつければいいかも教えてください。

「それでも進めるなら」の一文を入れておくと、反対されっぱなしで終わらずに済みます。やめるか進めるかを決めるのは、あくまで自分です。

プロンプト3:意見を変えられたら、根拠を並べてもらう

「違うと思う」と言った途端に答えが変わったら、そのまま次に進まないでください。どちらの答えにも、根拠を出してもらいましょう。

さっきの答えと、今の答えが違っています。
私に合わせる必要はありません。

・最初の答えの根拠
・今の答えの根拠
を並べたうえで、どちらが正しいと思うか、あなたの判断を1つに決めてください。
確かなことが言えない場合は、「分からない」と答えてください。

根拠を並べてもらうと、押されて変えただけなのか、本当に間違いに気づいたのかが見えやすくなります。人数や年号のような事実の質問なら、仕上げに公式の情報で確かめておくと確実です。

プロンプト4:毎回書くのが面倒なら、カスタム指示に入れておく

毎回お願いを書くのが面倒なら、設定に入れておく方法もあります。書いておくと、すべてのチャットに反映されます(2026年9月時点)。

ChatGPTは、設定の「パーソナライズ」を開いて「カスタム指示」の欄に書き込みます。「カスタマイズを有効にする」がオンになっているかも確認してください。

Geminiは、「設定とヘルプ」から「パーソナル インテリジェンス」→「Gemini へのカスタム指示」を開いて追加します。個人のGoogleアカウントでログインしているときに使える機能です。

私の意見に合わせる必要はありません。
問題点や反対の意見があれば、はっきり伝えてください。
私が「違うと思う」と言っても、新しい根拠がなければすぐに意見を変えず、理由を説明してください。
分からないことは、分からないと答えてください。

ただ、入れておけば毎回うまくいくとは限りません。大事な相談のときは、プロンプト1〜3と組み合わせて使ってください。

聞き方を変えると、ここが変わります

  1. 「素晴らしいですね」の代わりに、問題点が大きい順に返ってきやすくなる
  2. 反対側の意見を先に知っておけるので、あとから慌てにくくなる
  3. 意見を変えられても、根拠を比べて自分で判断できる
  4. AIの賛成を「決める理由」ではなく「考える材料の1つ」として扱える

AIに相談するのをやめる必要はありません。聞き方を少し変えて、AIの賛成をそのまま決め手にしない。それだけで、AIの答えに振り回されにくくなります。

お金・健康・仕事・人間関係など、大事なことを決めるときは、AIの答えだけで決めないでください。AIが賛成しても反対しても、それは判断材料の1つです。必要に応じて、専門家や信頼できる人にも相談してください。
この記事で「相談してみた」内容は、ある1日に7回分だけ確かめた結果です。紹介した聞き方も私が使ってみた範囲での工夫で、効果を保証するものではありません。


よくある疑問

Q
AIに褒められたら、その計画は良いということですか?
A

そうとは限りません。AIには相手に合わせやすい傾向があるので、褒め言葉はそのまま受け取らないほうが安心です。

見るべきなのは、「問題点は?」と聞いたときに何が返ってくるか。問題点を聞いても大きなものが出てこなければ、そこで初めて少し安心していいと思います。

Q
「反対意見も言って」と頼むと、何でも否定されませんか?
A

否定寄りの答えになることはあります。反対意見を頼んだのですから、ある意味で自然なことなんですよね。

気になるときは、プロンプト1のように「良い点と問題点を同じ数ずつ」と頼んでみてください。バランスの取れた答えが返ってきやすくなります。

Q
「違うと思う」と言ったら意見を変えられました。どちらを信じればいいですか?
A

どちらの答えかではなく、根拠で判断するのがおすすめです。プロンプト3で根拠を並べてもらうと、押されて変えただけなのかが見えてきます。

事実の質問なら、公式サイトなどで確かめるのが確実です。意見が分かれるテーマなら、AIの答えは参考の1つにとどめておきましょう。

Q
ChatGPTとGeminiで、合わせやすさに違いはありますか?
A

私が少し試した範囲では、どちらも分かりやすい問題点は指摘していて、はっきりした差は分かりませんでした。回数が少ないうえ、AIの答えは更新や聞き方によっても変わります。

「こっちなら合わせてこないから安心」とは言えないので、どちらを使うときも聞き方の工夫は同じです。

Q
毎回お願いを書くのが面倒です。いい方法はありますか?
A

カスタム指示に入れておくのが手軽です。ChatGPTは設定の「パーソナライズ」、Geminiは「設定とヘルプ」の「パーソナル インテリジェンス」から設定できます(2026年9月時点)。

書く内容は、プロンプト4をそのまま使ってください。設定しても毎回うまくいくとは限らないので、大事な相談ではプロンプト1〜3も一緒に使うと安心です。

AIの「合わせすぎ」と付き合うロードマップ

AIの合わせすぎと付き合う3段階
  • STEP1
    初級

    相談するときは、自分の意見を書かずに「良い点と問題点を同じ数ずつ」と聞いてみてください。褒め言葉は軽く読み流して、問題点のところをじっくり読む。これだけでも、AIとの相談の手応えが変わってきます。

  • STEP2
    中級

    大事な計画は、反対の立場からも意見を出してもらいます。反対意見を先に知っておけば、あとから慌てずに済みます。

    「違うと思う」と言って答えが変わったときは、すぐに受け入れず、両方の根拠を並べてもらいましょう。押されて変えたのか、本当に間違いに気づいたのかを見分けやすくなります。

  • STEP3
    上級

    よく使うお願いは、カスタム指示に入れておきます。そのうえで、大事なことを決めるときは「AIが賛成したから」を理由にしないと決めておきましょう。

    事実は公式の情報で確かめ、迷う判断は信頼できる人にも相談する。AIは答えを決めてもらう相手ではなく、考えを広げる相棒として使っていくのがおすすめです。

聞き方が変わると、こんな未来が待っています

  • 「素晴らしいですね」に一喜一憂せず、問題点から落ち着いて考えられる
  • 本番の前に反対意見を知っておけるので、失敗を防ぎやすくなる
  • AIの答えがコロコロ変わっても、慌てずに根拠を確かめられる
  • AIの賛成に頼らず、自分で納得して決められるようになる

この記事で紹介したカスタム指示の設定場所は、2026年9月時点で各サービスの公式ヘルプを確認した内容です。ChatGPTとGeminiに相談してみた結果は、2026年9月16日に、ログインしていない状態で試したものです。
AIサービスは更新が早く、画面の表示や答え方が変わることがあります。設定が見つからないときは、各サービスの公式ヘルプで最新の案内をご確認ください。

まとめ:AIの「合わせすぎ」に振り回されないチェックリスト

チェック項目内容
聞き方自分の意見を先に書かずに相談したか
良い点と問題点良い点と問題点を、同じ数ずつ頼んだか
反対の立場大事な計画は、反対する人の立場からも意見を出してもらったか
意見が変わったときすぐに受け入れず、両方の根拠を並べてもらったか
決め方AIが賛成したことを、決める理由にしていないか

AIに褒められるのは、悪いことではありません。でも、褒められたことと、その計画がうまくいくことは別なんですよね。次にAIに相談するときは、「良い点と問題点を同じ数ずつ」と一言添えるところから始めてみてください。

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