報告書の誤字だけ直してほしかったのに、言い回しまで変わって別人の文章になった。直す前のほうが自分らしかった…
——note / 40代男性
「ここだけ直して」と頼んでも、結局ぜんぶ書き直してくる。これ、どうにかならないのか
——はてなブックマーク / 30代女性
AIに校正を頼むと、社内でずっと使っている言い方まで直されてしまいます。商品名まで勝手に変わることがあって困っています
——Yahoo!知恵袋 / 50代女性
AIに校正を頼むと、なぜ全部書き変わる?
誤字だけ直してほしかったのに、気づけば文章全体がつるっとした別物に。あれ、地味にショックなんですよね。
しかも読み返すと、たしかに整ってはいる。でも、自分が言いたかったことから少しずれている。この「惜しい感じ」がいちばん困ります。
「直して」は、AIには「よくして」に聞こえている
「校正して」「直して」とだけ頼むと、AIは文章全体をより良くする仕事だと受け取ります。誤字だけでいい、とは考えてくれません。
その結果、語尾や言い回し、文の順番まで整えられます。悪気があるわけではなく、頼まれた仕事を広めに解釈しているだけなんです。
好みは、こちらから言葉にする必要がある
OpenAIの開発者向けの案内にも、書き方や長さの好みは、プロンプトの中ではっきり伝える必要がある、という趣旨のことが書かれています(2026年9月現在)。伝え方の型そのものは的確な回答を引き出すプロンプトの書き方にまとめています。
言わなければ伝わらない。だから範囲を指定するのは、細かい注文ではなく、ふつうの作法なんですよね。
固有名詞や決まり文句ほど、直されやすい
社名や商品名、社内でずっと使っている言い方は、AIから見れば「見慣れない表現」です。だから親切心で、一般的な言葉に置き換えられることがあります。
守りたい言葉があるなら、先に名指しで伝えておくのが早いです。これだけで、事故はかなり減ります。
直していい範囲を伝えれば、校正は怖くない
やることはひとつです。直していい範囲と、触ってほしくない部分を先に伝える。それだけで、AIの校正は一気に扱いやすくなります。
AIは、指示がないところを「任せてもらえた」と受け取ります。線を引くのは、こちらの仕事なんです。
伝えるのは、この4つ
- 直していい範囲(誤字脱字だけ、この段落だけ、など)
- 変えてほしくないもの(語尾、言い回し、文の順番、固有名詞)
- 直した箇所の一覧(元の文 → 直した文)
- 迷ったときの扱い(直さずに、指摘だけにしてもらう)
4つ目が地味に効きます。AIは迷っても止まらないので、「迷ったら直さない」と決めておくと、勝手な判断が減ります。
実際に使っている指示文1:誤字と文法だけ直す
次の文章の、誤字脱字と明らかな文法の誤りだけを直してください。
・言い回し、語尾、文の順番は変えないでください
・直した箇所は「元の文 → 直した文」の一覧で出してください
・迷ったところは直さずに、指摘だけしてください
(ここに文章を貼る)
ふだんの校正は、これだけで足ります。一覧が出てくるので、直された場所も一目で分かります。
実際に使っている指示文2:この段落だけ直す
次の文章のうち、2つ目の段落だけを直してください。
ほかの段落は1文字も変えずに、そのまま出してください。
・直すのは誤字脱字と文法の誤りだけです
・直した箇所は「元の文 → 直した文」で示してください
(ここに文章を貼る)
「1文字も変えずに」は、少し強い言い方に感じるかもしれません。でも、このくらいはっきり伝えたほうが、結果的に手戻りが減ります。
実際に使っている指示文3:触ってほしくない言葉を守る
次の文章を校正してください。
ただし「(社名)」「(商品名)」「(決まり文句)」は、表記も含めて変えないでください。
・そのほかも、意味が変わる言い換えはしないでください
・言い換えたほうがよい箇所があれば、直さずに提案としてだけ書いてください
(ここに文章を貼る)
社名や商品名は、表記ゆれを直されることもあります。「表記も含めて」と足しておくと安心です。
実際に使っている指示文4:直した理由まで出してもらう
さきほどの直しについて、1件ずつ理由を教えてください。
・「元の文 → 直した文 → 直した理由」の形で並べてください
・誤字、文法、読みやすさのどれに当たるかも書いてください
・読みやすさのための直しは、採用するかどうか私が決めます
理由が並ぶと、採用と不採用が一瞬で決められます。「誤字だけ採用して、読みやすさの直しは戻す」といった選び方もできます。
校正は、AIに任せきるものではなく、線を引いて渡す作業なんですよね。範囲さえ決めてしまえば、頼むのが怖くなくなります。
ここでつまずきやすいところ
- Q「変えないで」と書いたのに、やっぱり変わってしまう
- A
長い文章をまとめて渡したときに起きやすいです。段落ごとに分けて渡すと、守られやすくなります。
それでも変わってしまったら、直した箇所の一覧を見て、いらない直しだけ元に戻しましょう。全部やり直すより、ずっと早いです。
- Q直した箇所の一覧が出てこない
- A
直した文章だけが返ってきたら、「直した箇所だけを、元の文 → 直した文の形で一覧にして」と続けて頼んでください。
一覧が出せないと言われたときは、文章が長すぎることが多いです。半分に分けて渡し直すと、たいてい出てきます。
- Q社外向けの敬語まで直されてしまう
- A
「社外向けの敬語と挨拶文は、そのままにしてください」と先に伝えておきましょう。丁寧さの感覚は人によって違うので、AIの基準に合わせる必要はありません。
送る前の文章は、コピーしてメモに残しておくと安心です。戻したくなったとき、すぐ比べられます。
- Q仕事の文章を、AIに貼っても大丈夫?
- A
まず、職場のルールを確かめてください。AIに社内文書を入れてよいかは、会社ごとに決まりが違います。会社でAIが禁止されているときの進め方は、別の記事にまとめています。
貼るときは、取引先の名前や個人情報、金額などを伏せ字にしておくと安心です。入力した内容の扱いはサービスによって違うので、各サービスの説明も一度読んでおくといいですね。
- QどこまでAIに直してもらうのがちょうどいい?
- A
私は、誤字と文法はAIに任せて、言い回しは自分で決めるようにしています。読み手が知っているのは、AIの文章ではなく、あなたの文章ですからね。
送る前に、声に出して一度読んでみてください。言いにくいところがあれば、そこだけ自分の言葉に戻せば十分です。
順番にやること
- STEP1初級
指示文1をメモに保存して、次の校正でそのまま使ってみてください。誤字と文法だけが直り、一覧も出てきます。ここだけでも、書き変わりの事故はかなり減ります。
- STEP2中級
長い文章は、段落ごとに分けて渡します。守りたい社名や決まり文句があれば、指示文3のように名指しで伝えておきましょう。
- STEP3上級
直した理由まで出してもらい、採用するかどうかを自分で決めます。読みやすさのための直しは、戻していい直しです。
自分がよく直される言い回しをメモしておくと、次からの指示が短くなります。「この語尾は変えない」と1行足すだけで済むようになりますよ。
1週間後にどうなっているか
- 誤字チェックを頼んでも、自分の文章のまま返ってくる
- 直された箇所が一覧で見えるので、確認が数十秒で終わる
- 社名や決まり文句が、勝手に置き換わらなくなる
- 送る前の「なんかズレてる」感が消えて、そのまま出せる
この記事で触れたAIの案内の内容は、2026年9月現在の公式ページで確認したものです。AIサービスの仕様は変わることがあるので、最新の情報は各サービスの公式ヘルプをご確認ください。
仕事の文章をAIに入力してよいかは、職場のルールが優先です。ここに書いたのは私個人の使い方で、送信前の最終確認はご自身でお願いします。
忘れてよくないところ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 範囲 | 直していいのは誤字脱字と文法だけ、と先に伝えたか |
| 守る言葉 | 社名・商品名・決まり文句を名指しで伝えたか |
| 一覧 | 「元の文 → 直した文」の一覧を出してもらったか |
| 迷ったとき | 「迷ったら直さず、指摘だけ」と伝えたか |
| 最終確認 | 送る前に、自分で声に出して読み返したか |
AIの校正は、線を引いて渡せば頼れる相棒になります。次に誤字チェックを頼むときは、「言い回しと語尾は変えないで」の一行を足すところから試してみてください。


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