AIを使って電子書籍・本を書きたい。
1冊できるの?気をつけることガイド
AIは「構成・下書き」担当、著者は「体験・個性」担当——この役割分担が決まると、1冊は本当に完成します。
「AIを使えば本が書けるって本当?」——本当です。ただし「全部AIに書かせたら完成する」という期待は少し修正が必要です。AIが得意なのは「目次作成・章ごとの下書き・情報の整理」です。著者が担うのは「体験談・個人の視点・固有のデータ」の追加——この役割分担が決まると、1冊の電子書籍は確実に完成します。今日、AI×書籍執筆の現実的なワークフローを整理します。
- 「目次→章ごとの下書き→体験追加→デザイン」の4ステップで1冊完成させる手順
- 「AI感が丸出しで読まれない本」にならないための「著者の個性を加える編集テクニック」
- AmazonのKindle出版でAI利用を明記する必要があるルールの説明
- 「1週間で骨格を完成させる」プロンプト付き実践ワークフロー
「AIで本が書けるって聞いた」ネットに溢れる声
「ChatGPTを使って電子書籍を書いてみた。目次の作成・各章の下書きはAIが出してくれたが、読み返すと「どこかで見たような内容」になってしまっていて、自分らしさがなかった」
「AIで電子書籍を作ってAmazonのKindleで出版したいです。著作権的には問題ないですか?「AI生成コンテンツ」と明記しないといけないですか?」
「AIに目次を作らせてから章ごとに「〇〇について初心者向けに2000字で書いて」と依頼して、返ってきた下書きに自分の3年間の実体験を1章あたり500字追加したら、自分らしい本になった」
「1章あたり500字の実体験を追加したら自分らしくなった」——これが電子書籍執筆でのAI活用の核心です。AIが作る下書きは「一般的に正しい情報」ですが、読者が求めているのは「この著者だからこそ書ける内容」です。No.111(AI文章の人間らしさ)でも触れたように、固有の体験・数字・失敗談——これはAIが単独では生み出せないオリジナルの価値です。
AI活用あり・なし・「ちょうどいい活用」で電子書籍の品質はどう変わるか
| 執筆スタイル | 📝 特徴と問題点 | 📖 完成した本の読まれ方 |
|---|---|---|
| AIに 全部 任せる |
「全部AIに書かせてそのまま出版」→2025〜2026年に急増。内容がどこかで見たものと同じになる「均質本問題」が起きている。著者の固有の価値がゼロ | 開封後すぐ離脱される可能性が高い。Kindleのレビューで「内容が薄い・どこかで読んだ」という感想がつく |
| AI活用 なし |
全部自分で書くと時間がかかりすぎる。目次の整理・情報の構成で詰まって完成しないケースが多い | 完成すれば著者の個性が出た良書になる可能性が高いが、そもそも完成しないことも多い |
| AI× 著者の 役割分担 |
「目次・構成・下書きをAIが担当」→「体験談・固有データ・著者の意見を著者が追加」という分担。下書きの2〜3割を著者が書き直す | 「読んでよかった」「著者の経験が参考になった」というレビューがつきやすい。AI×著者の共同制作として著者の価値が出る |
「AIに全部任せる→均質本問題」は2026年現在のKindleストアで顕在化しています。Amazonは「AI生成コンテンツを含む作品は、その旨をコンテンツ登録時に明示する必要がある」というガイドラインを設けており、無申告の場合はコンテンツが削除されるリスクがあります。最初から「AI×著者の役割分担」を決めて書くことが、品質と倫理の両面で正解です。
AI×電子書籍執筆を「1週間で骨格を完成させる」プロンプト3つ
AIに任せるべき作業:
目次・章構成の設計 / 各章の情報整理・下書き / 初心者向け説明の生成 / 章の見出し・小見出しの提案 / まとめ・チェックリストの作成
著者が担当するべき作業:
固有の体験談・失敗談・成功事例の追加 / 自分だけが持っているデータ・統計・事例 / 著者の意見・推奨・見解の明示 / 「この著者だから読む価値がある」という個性の埋め込み / 最終的な文体・語調のチェックと修正
目安の比率:
AIが下書き70%→著者が30%を書き直す・追加するというバランスが「AIの効率×著者の個性」を最大化します。体験談を1章あたり500〜800字追加するだけで「AIだけでは書けない本」になります。
【Step1:電子書籍の「目次・構成」をAIに設計させるプロンプト】
(ChatGPT・Claudeに送る——まず骨格だけ作る。この作業が一番大事)
以下のテーマで電子書籍の目次・構成を設計してください。
【書きたいテーマ】
(例:40代からの副業入門・フリーランスのSNS活用術・子育て中のタイムマネジメント)
【想定読者】
(例:副業を始めたい会社員・SNSが苦手なフリーランス・時間がない共働き夫婦)
【著者のスタンス・得意領域】
(例:3年間副業を試行錯誤してきた経験者 / SNSで1000人フォロワーを達成した実体験がある)
【本の分量】
(例:Kindle版・2〜3時間で読める・約2〜3万字程度)
設計してほしいもの:
① 全体の章構成(5〜7章)と各章のタイトル
② 各章の「節(見出し)」3〜4個と内容の概要(1文ずつ)
③ 各章で「著者の体験談を入れるべき箇所」のコメント(※著者が埋める場所の提案)
④ 読者が最も知りたい「第1章の冒頭・つかみ」の文章例
→ この目次を見て「自分が書きたいものと合っているか」を確認してから次へ進みます
「これだ!」と思えない場合は「〇〇の章をもっと実践的な内容に変えて」と対話で調整
【Step2:章ごとの「下書き」をAIに書かせるプロンプト】
(目次が決まったら章ごとに繰り返し使う——分割依頼が品質の鍵)
以下の章・節について、電子書籍の本文の下書きを書いてください。
【この章の情報】
・章番号:第〇章「〇〇」
・節:第〇節「〇〇」
・目標文字数:2000字程度
【この節で伝えたいこと】(目次設計のときのメモをそのまま貼る)
(例:フリーランスがSNSを始める際に最初にやるべき3つのアクションを初心者向けに解説する)
【想定読者のレベル】
(例:SNSをほぼ使ったことがない・アカウントは持っているが投稿したことがない)
【文体・トーン】
(例:語りかけるような話し言葉・丁寧語・「〜なんですよね」的な親しみやすい文体)
出力形式:
① 節の見出し(読者を引き込む表現で)
② 本文2000字(段落ごとに改行を入れて)
③ 【著者の体験談を入れてください】という注釈を本文内の適切な箇所に1〜2カ所入れる
→ この「【著者の体験談を入れてください】」の部分に
自分の実体験・失敗談・具体的な数字を書き加えることが
「AI下書き」を「著者の本」に変える最重要の作業です
【Step3:完成原稿を「Kindle出版チェックリスト」で最終確認するプロンプト】
(Kindle Direct Publishing(KDP)出版前の最終確認——AIを使って品質をダブルチェック)
私が書いた電子書籍の原稿について、Kindle出版前の品質チェックを行ってください。
【チェックしてほしい原稿の概要】
・タイトル:〇〇
・テーマ・対象読者:〇〇
・総文字数:約〇〇字
・AI活用の有無:あり(構成・下書きをAIで作成、体験談・意見は著者が追加)
チェックしてほしいこと:
① 「どこかで見たような一般論だけ」のセクションがないか(AI感が強い部分の指摘)
② 「著者の固有の体験・意見・データ」が各章に入っているか
③ 読者が最後まで読み続けるための「冒頭の引き込み」と「章末のまとめ」の品質
④ Kindle出版に際して「AIが主に作成したコンテンツ」としてAmazonのガイドラインに沿って申告が必要な範囲かどうかの判断基準の確認
重要な注意:
⚠️ Amazon KDPのガイドライン(2024年〜)では
「AIが主に作成したコンテンツを含む作品」は
コンテンツ登録時にAI生成コンテンツとして申告する義務があります
申告なしの場合はコンテンツ削除・アカウント停止のリスクがあります
最新のKDPガイドラインを https://kdp.amazon.com で必ず確認してください
3つめのプロンプト(KDP出版チェック)が、AI×電子書籍執筆で最も見落とされがちな重要ステップです。2024年以降、AmazonのKindle Direct PublishingはAI生成コンテンツの申告を義務化しています。「知らなかった」では済まないルールなので、出版前に必ず公式ガイドラインを確認してください。AIを使って書いても申告すれば出版できます——隠す必要も、恥ずかしいことでもありません。
AI×電子書籍執筆についてよくある疑問
| 全部AIに書かせた本はAmazonKindleで出版できる? | 出版自体はできますが、Amazon KDPのガイドライン(2024年〜)では「AIが主に作成したコンテンツ」はコンテンツ登録時に申告する義務があります。申告なしの場合はコンテンツ削除・アカウント停止のリスクがあります。また「全部AI任せ」の本は品質的に埋もれやすく、レビューも低くなる傾向があります。「AIが下書き・著者が体験追加」という役割分担で品質と倫理を両立させることをおすすめします |
| 著作権はどうなるの?AIが書いた文章は誰のもの? | 2026年時点の日本の法律では、AIが生成したコンテンツには著作権が発生しないという見解が一般的です(人間が創作活動を行ったものに著作権が発生するため)。ただし著者が目次設計・体験談追加・編集・修正を行った部分については著者の著作物として認められる可能性があります。この法律分野は2026年現在も解釈が発展中のため、重要な商業出版の場合は弁護士への相談をおすすめします |
| 電子書籍の目標文字数はどのくらいにすればいい? | Kindle版の場合、2〜3時間で読める2万〜4万字が読者に受け入れられやすい規模感です。「1章2000字×5章×3節」で計算すると3万字程度になります。無料・低価格帯(99〜299円)であれば1万〜2万字でも問題ありません。「薄くてもいいので体験談が濃い本」の方が、「厚くてもAI一般論だらけの本」よりも読者の評価が高い傾向があります |
| CanvaでKindleの電子書籍デザインが作れる? | Canvaで表紙デザイン・PDF形式の電子書籍レイアウトを作ることができます。Canvaの「電子書籍」テンプレートを使うと、表紙・各ページのデザインをテンプレートに当てはめてPDFに書き出せます。KindleへのアップロードはこのPDFとWordのどちらでも可能です。表紙デザインはAdobe Fireflyで生成した画像を使うと著作権的に安全な表紙が作れます(No.103参照) |
| 「AIっぽい本」を回避するために具体的に何を追加すればいい? | 「固有の体験談・失敗談・数字・固有名詞」の4点が最も有効です。「私が3年間副業を試みて失敗した具体的な例」「実際に使ったツールと費用の内訳」「〇〇という人に会って言われたひとこと」——これらはAIには書けない固有情報です。1節あたり「自分の話」を最低1カ所入れることを目標にすると、読者が「この著者の本を読んでよかった」と感じる本になります |
「1冊完成させる」3ステップ
1つめのプロンプトで「自分が書きたいテーマ」の目次を今日作ってもらい、全体の骨格を確定させる
今すぐ1つめのプロンプトにテーマ・想定読者・自分の得意領域を入力してChatGPTかClaudeに送りましょう。目次が返ってきたら「この章の順番を変えて」「〇〇の章をもっと実践的に」と対話で調整します。「目次が決まった」という状態が、書き始められる唯一の出発点です。
2つめのプロンプトを章ごとに繰り返し使って下書きを作り、各節に「自分の体験談500字」を追加して原稿を積み上げる
目次の各節ごとに2つめのプロンプトを送って下書きを作ります。返ってきた2000字の下書きに「【著者の体験談を入れてください】」と表示されている箇所に自分の体験を追加してください。1日2節分を積み上げると、1週間で骨格のほぼ全体が完成します。「全部書いてから見直す」より「1節ずつ完成させる」方が続きます。
3つめのプロンプトで品質チェックを行い、KDPガイドラインを確認してからCanvaで表紙を作ってKindleに出版する
原稿が完成したら3つめのプロンプトで品質チェックをしてもらい、「AI感が強い部分」と「著者の個性が十分出ている部分」を確認します。その後kdp.amazon.comでAI生成コンテンツの申告を行い、Canvaで表紙を作成してアップロードします。「世界に1つの自分の本」が完成する瞬間です。
AI×電子書籍が完成すると、こんな変化があります
「本を書きたいけど書けない」から「AIと一緒に1冊完成させた著者になる」へ
「目次設計・下書き」をAIに任せることで、「どこから書けばいいかわからない」という最大の壁が消えて、書き始められる
「体験談を追加する作業」に集中できるようになり、「AIだけでは書けない、自分だからこそ書ける本」が完成する
Kindle出版で自分の本が世界中に届くようになり、「著者」という肩書が自分のブランドとして機能し始める
「AI×著者の共同制作」という新しい執筆スタイルが身につき、2冊目・3冊目を書くスピードが最初の3分の1以下になる
ここまでのまとめ
📌 この記事の要点
- AI×電子書籍の黄金分担:「目次・構成・下書きはAI」「体験談・固有データ・意見は著者」——AI70%・著者30%の追加が目安
- 1節あたり自分の体験談500〜800字を追加するだけで「AI感だらけの本」が「著者らしい本」に変わる
- Amazon KDPではAI生成コンテンツを含む作品の申告が義務——未申告はコンテンツ削除リスクあり。kdp.amazon.comで最新ガイドラインを確認する
- 「1章2000字×5〜7章×3節」で全体を分割して1節ずつ完成させると1〜2週間で骨格が揃う
- Canvaで表紙・Adobe Fireflyで画像(No.103参照)・KDPでアップロードというワークフローで出版まで完結できる
「本を書きたいけど書けない」は今日終わりにしましょう。1つめのプロンプトに書きたいテーマを入力してChatGPTかClaudeに送るだけで、今日中に目次の骨格が手に入ります。「目次が決まった」という状態が、「1冊完成させた著者になる」旅の最初の一歩です。
今日やること:1つめのプロンプトに「書きたいテーマ・想定読者・自分の得意領域」を入力してAIに送る。
返ってきた目次を見て「これが自分の本になる」と感じた瞬間が、執筆の始まりです。


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