AIが「一般的に言われています」と書いた。
これって正確なの?ハルシネーション対策ガイド
「誰が・いつ・どこで言ったか?」この3問で、AIの「もっともらしい話」のほとんどは見抜けます。
「AIが書いた文章に「多くの専門家は〜」「研究によると〜」という表現が出てきたけど、本当に正しいの?」——この不安、正解です。AIは「文章としてありそうな表現」を生成する仕組みのため、実際には誰も言っていない「もっともらしい話」を自信満々に書くことがあります。見抜き方の核心は「誰が・いつ・どこで言ったか?」という3問です。今日、AIの「一般論表現」を見抜いて対策する方法を整理します。
- 「一般的に言われています」「多くの専門家は」という表現がなぜ危険なのか——ハルシネーションの仕組み
- AIの「もっともらしい話」を即座に見抜く「3問チェック」の使い方
- 「出典を教えて」と追加で聞く→Perplexityで確認する→一次ソースで確認する3ステップ
- AIが生成した数字・統計・引用を安全に使うための「使用前確認の習慣」
「これって本当に正しいの?」ネットに溢れる声
「ChatGPTが書いてくれた文章に「研究によると〇〇%の人が〜」という数字が出てきたけど、その研究が何なのか調べたら見つからなかった。AIが作った統計なの?」
「Claudeに医療情報を調べてもらったら「多くの医師が推奨しています」という表現が出てきました。実際に医師が推奨しているのか確認する方法はありますか?AIの情報はどこまで信用できますか?」
「「AIが言ったから正しい」と思って社内資料に使った数字が実際には存在しない研究からのものだったことがあった。それ以来「AIが出した統計・引用は必ずPerplexityで確認する」というルールを作った」
「必ずPerplexityで確認するルールを作った」——これがAIを安全に使うための正しい習慣です。AIはコード・文章・アイデア出しには強力ですが、「具体的な数字・統計・引用・専門家の見解」には必ず出典確認が必要です。特に「〜と言われています」「研究によると」「専門家は〜と述べています」という表現は、出典がないまま生成されるリスクが最も高いパターンです。
AIが「一般論表現」を生成するパターンと正確性の違い
| 表現パターン | ⚠️ ハルシネーションリスク | ✅ 確認すべき方法 |
|---|---|---|
| 「〜と言われ ています」 「一般的に」 |
リスク高:誰も言っていない内容でも「文章的に自然な表現」として生成される。「一般的に」という言葉はあいまいさを隠す効果がある | 「この「一般的に言われている」の具体的な出典・根拠となっている研究や機関を教えて」と追加で聞く |
| 「研究によると 〇〇%が〜」 |
リスク最高:具体的な数字は「もっともらしさ」を最大化するため、AIが架空の数字を生成しやすい。正確に見えるほど要注意 | Perplexityで「〇〇 研究 〇〇%」と検索→出典が見つからなければGoogle Scholar・各省庁・学会サイトで一次ソース確認 |
| 「多くの 専門家は〜 と述べています」 |
リスク高:「多くの専門家」は実在しない可能性がある。具体的な名前・機関・出典が伴わない場合は信頼しにくい | 「具体的な専門家の名前・所属・発言の出典を教えて」と追加で聞いてから確認する |
| 「〇〇(人名)は 〜と言った」 |
リスク高:実在する人物の発言を架空で生成する(引用ハルシネーション)。有名人・学者の発言は特に要注意 | 名前と引用内容を検索して一次ソース(書籍・論文・インタビュー記事)を確認。見つからなければ使わない |
「具体的な数字・パーセント・引用は最も信頼しにくい」——これがAIの出力に向き合うときの基本姿勢です。「〇〇%」「〇〇人が」という数字が出てきたら、それが正確かどうかを確認する前に使うことはリスクがあります。仕事の資料・ブログ・SNS投稿で使う前に必ず確認するというルールを一度決めると、あとは習慣になります。
AIの「もっともらしい話」を見抜いて確認するプロンプト3つ
AIが「〜と言われています」「研究によると」「専門家は〜」と書いたとき、この3問を自分に問う:
① 誰が言ったか?(具体的な人名・機関名・学会名がない→要注意)
② いつ言ったか?(年代・発表年が不明→要注意)
③ どこで言ったか?(論文名・書籍名・記事名・公式サイトがない→要注意)
→ この3つが「誰が・いつ・どこで」揃わない場合は、一次ソースが存在しない可能性が高いです。
特に注意する表現トップ5:
「一般的に言われています」「研究によると〇〇%」「多くの専門家は」「〇〇は〜と述べています(人名引用)」「世界的に認められています」
→ これらの表現が出てきたら、下の3つのプロンプトを使って確認しましょう。
【「出典を教えて」追加質問プロンプト——AIに出典を求めて信頼性を確認する】
(AIが「〜と言われています」「研究によると」「専門家は〜」と書いた後に送る)
【パターン①:一般論の出典確認】
「先ほどの「一般的に〇〇と言われています」という部分について、
具体的な根拠・出典を教えてください。
以下を教えてほしいです:
① この情報の出典(論文名・書籍名・公的機関のレポート)
② 発表された年と発表者・機関名
③ もし出典が特定できない場合は、その旨を正直に教えてください」
【パターン②:数字・統計の出典確認】
「「〇〇%の〜」という数字について確認させてください。
① この数字が記載されている一次資料(研究・調査・統計)の名称
② 調査を実施した機関または著者名
③ 発表年と調査対象・方法の概要
もし確認できる出典がない場合、正直にその旨を教えてください。
私はこの情報を仕事の資料に使う予定なので、出典の正確性が必要です」
【パターン③:人名引用の真偽確認】
「「〇〇(人名)が〜と述べています」という部分について確認させてください。
① この発言がある一次資料(著書・論文・インタビュー・スピーチ)の名称
② 発表年・媒体名
③ 出典が確認できない場合はその旨を教えてください
⚠️ 出典が確認できない人名引用は使用しません」
→ AIが「その出典は確認できません」と正直に答えた場合——それは良い回答です
「出典がない情報を伝えていた」という事実がわかったことで、誤情報の使用が防げました
【Perplexityで「出典付き確認」をするプロンプト——最速の事実確認方法】
(Perplexityはリアルタイムでウェブを検索して出典付きで回答してくれる——No.98参照)
【ChatGPT・ClaudeでAIが書いた内容をPerplexityで確認する手順】
① AIが書いた「要確認の表現」をコピーする
例:「ある研究によると、リモートワークをしている人の67%が生産性の向上を感じている」
② Perplexityに以下のプロンプトを送る:
「以下の情報が正確かどうか、出典付きで確認してください:
〔AIが書いた要確認の文章を貼り付ける〕
確認してほしいこと:
① この情報の一次ソースが存在するか
② 存在する場合、出典URL・機関名・発表年を教えて
③ 数字が異なる・情報が不正確な場合はどこが違うか教えて
④ 一次ソースが見つからない場合はその旨を教えて」
③ Perplexityが出典付きで返答してくれる
→ 出典があった場合:リンクを開いて一次ソースで最終確認
→ 出典がなかった場合:AIが架空の情報を生成していた可能性が高い→使用しない
【一次ソース確認に使えるサイト(信頼度が高い順)】
・政府・省庁の公式統計:stat.go.jp(総務省統計局)・mhlw.go.jp(厚生労働省)
・学術論文:scholar.google.com(Google Scholar)・CiNii(国内学術論文)
・企業・業界団体の公式調査:各企業のプレスリリースページ
・信頼できる報道:NHK・朝日・読売・日経などの大手メディア
→ 「Perplexityで確認→一次ソースで最終確認」という2段階が
AI情報を安全に使うための最速のファクトチェック方法です
【「出典なし情報を使わない」ルールをAIに最初から宣言するプロンプト——事前の対策】
(AIに文章を書いてもらうとき、最初に「出典なし一般論は使わない」と宣言しておく)
以下のことを守りながら文章を書いてください:
【出典・事実確認に関するルール】
① 「〜と言われています」「一般的に〜」「多くの専門家は〜」という表現は使わないでください
→ 代わりに「私(著者)の意見として」または「出典を確認できる情報のみ」を使ってください
② 数字・統計・パーセントを使う場合は、必ず以下を明記してください:
「(出典:〇〇機関・〇〇年のデータ)」という形で
→ 出典が確認できない数字は「〇〇%程度と言われていますが、出典要確認」と注記してください
③ 人名引用は一次ソースが確認できるもののみ使用してください
→ 確認できない引用は「〇〇がこのような趣旨のことを述べています(出典要確認)」と注記してください
④ 上記のルールを守れない部分があれば、「ここは出典要確認」と文中に[要確認]を入れてください
【文章を書いてほしい内容】
(ここにリクエストを書く)
→ このルールを先に宣言しておくことで
AIが「もっともらしい一般論」を書く確率が下がり
「[要確認]」が入った箇所だけを後から確認すれば済む状態になります
3つめのプロンプト「出典なし情報を使わないと最初に宣言する」が、ハルシネーション対策の中で最も予防的な方法です。AIに文章を書いてもらうとき「出典なし一般論は使わない・数字には出典明記・確認できない箇所は[要確認]を入れる」と宣言しておくと、後から全部チェックする手間を大幅に減らせます。No.114(適切な情報量)で紹介した「制約条件を渡す」という考え方と同じ発想です。
AIの「一般論表現」についてよくある疑問
| ハルシネーションってそんなに頻繁に起きるの? | 一般的な文章や知識問題では比較的少ないですが、「具体的な統計・数字・人名引用・最新情報」が含まれる場合は発生リスクが上がります。特に「〇〇%」「〇〇人」という数字・「〇〇が言った」という引用・「最近の研究では」という最新情報表現は要注意です。「知識として正しそうに見える文章」と「実際に出典がある情報」は別物だということを意識するだけで、リスクを大幅に下げられます |
| 「出典を教えて」と聞いたのにAIが架空のURLを出してきた——どうすればいい? | これは「URLハルシネーション」という現象で、AIが実在しないURLを生成することがあります。AIが出してきたURLは必ずブラウザで開いて実在を確認してください。URLが404エラーになるか、全く別の内容のページに飛ぶ場合は、そのURLは架空です。「出典URL」だけで信頼せず「Perplexityで同じ内容を検索→一次ソースで確認」の手順を守ることで、架空URLの被害を防げます |
| Perplexityは完全に正確?Perplexityも間違えることがある? | Perplexityはリアルタイムでウェブを検索するため、ChatGPTやClaudeよりも最新情報への対応と出典の提示が優れています。ただしPerplexityも完全ではなく、検索結果の読み取りに誤りが生じる場合があります。Perplexityを「一次確認」として使い、重要な情報は「Perplexityが示した出典URLを直接開いて確認する」という2段階が最も確実です |
| AIが正確な情報を書いているか確認するのに時間がかかりすぎる——効率的な方法は? | 「全部の情報を確認しようとしない」ことがコツです。確認が必要な情報の優先順位は「仕事の資料・公開する文章・医療・法律・金融に関係する情報→必ず確認」「個人メモ・アイデア出し・下書き→確認不要」という判断基準を持つと効率化できます。また3つめのプロンプトで最初に「[要確認]を付けて」と宣言しておくと、確認すべき箇所だけが目立つようになり、全体を読む手間が省けます |
| 「出典がない」とAIが言ってきた場合、その情報は完全に間違い? | 必ずしも間違いではありませんが「確認できない情報」として扱うことをおすすめします。「出典を確認できません」というAIの回答は正直な回答であり、「この情報を使う判断は自分がする」という状態です。仕事や公開コンテンツに使う場合は使用を避けるか、「一般的に言われていることとして(出典要確認)」という表記をつけることでリスクを開示できます |
「AI情報の確認習慣」を今日から身につける3ステップ
AIが書いた文章に「〜と言われています」「研究によると」「専門家は〜」が出てきたら、情報ボックスの「3問チェック」を習慣にする
「誰が・いつ・どこで」という3問を2秒で自分に問いかけるだけです。仕事の資料・ブログ・SNSに使う文章にこれらの表現が含まれていたら、その部分をそのまま使わずに1つめのプロンプトで出典を追加で聞いてみましょう。「出典を確認できません」という回答が返ってきた場合は、その表現を削除か書き換えます。
2つめのプロンプトでPerplexityに「この情報が正確か確認して」と送り、出典URLが返ってきたらブラウザで開いて実在を確認する
AIが「〇〇%」「〇〇万人」という数字を出してきたら、すぐ使わずに2つめのプロンプトをPerplexityに送りましょう。「出典:〇〇機関・〇〇年」という回答が返ってきたら、そのURLをブラウザで開いて一次ソースを確認します。URLが存在しない・内容が異なる場合は使用しません。「Perplexity確認→一次ソース確認」という2段階が最速のファクトチェックです。
重要な文章を作るとき、3つめのプロンプトを最初に送って「[要確認]付きの下書き」を作り、確認箇所だけを後からまとめてチェックする
仕事の資料・ブログ記事・SNS投稿を作るとき、3つめのプロンプトを最初に送って「出典なし一般論は使わない・確認できない箇所は[要確認]を付けて」と宣言してから文章を書いてもらいましょう。返ってきた文章の[要確認]の部分だけをまとめてPerplexityで確認すると、効率的にファクトチェックが完了します。
「AI情報の確認習慣」が定着すると、こんな変化があります
「AIが言ったから正しい」から「AIの情報を自分で確認できる」へ
「誰が・いつ・どこで」という3問が自動的に頭に浮かぶようになり、AIの出力を見る「目」が育って架空情報を使うリスクがゼロに近づく
数字・統計をPerplexityで確認する習慣が定着して、仕事の資料・ブログ・SNSで「正確な情報を使える人材」としての信頼が上がる
「情報の出典を確認する」習慣が、AIだけでなくメディア・SNSの情報全般への批判的思考力として育ち、「情報リテラシーの高い人」という評価につながる
「AIを正しく使いこなせる人」と「AIの情報を鵜呑みにする人」の差が広がる中で、確認習慣を持っている側の人間になれる
ここまでのまとめ
📌 この記事の要点
- 「〜と言われています」「研究によると〇〇%」「専門家は〜」という表現は、出典なしのハルシネーションが最も起きやすいパターン
- 「誰が・いつ・どこで」という3問チェックで、AIの「もっともらしい話」のほとんどは見抜ける
- 出典が不明な情報はPerplexityで確認→出典URLが実在するかブラウザで開いて確認するという2段階が最速
- 3つめのプロンプトで最初に「出典なし一般論は使わない・[要確認]を付けて」と宣言しておくと、後からの確認作業が効率化される
- AIが「出典を確認できません」と正直に答えた場合は良い回答——使用しないという判断ができた
「AIが書いた情報の正確さが不安」は今日から解決できます。次にAIが「〜と言われています」「研究によると」と書いてきたら、1つめのプロンプトで「その出典を教えて」と追加で聞いてみましょう。返ってきた回答が「確認できません」でも「見つかった」でも、どちらも情報の使い方を正しく判断できるようになります。
今日やること:AIが書いた文章に「一般的に」「研究によると」「専門家は〜」が出てきたら、1つめのプロンプトを送って「具体的な出典を教えて」と追加で聞いてみる。
「確認できません」という返答が来たら、その部分をそのまま使わない——それだけでハルシネーション対策は始まります。


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